東京都江戸川区にお店を構える、カメラのもりかわ。出張撮影やアルバム制作などの仕事と並行しながら、夫婦で約3,000人分のスナップ写真を無理なく内製している。そんな森川夫妻は、2020年に『みんなの写真屋さん』でネット販売を開始。内製をするにあたり、壁展示の経験から３つの負担を懸念していたが、それは杞憂に終わったという。森川夫妻が懸念していた３つの負担、それはどのように解消されたのか。そして、内製にこだわり続ける森川夫妻の想いとは。
壁展示のころは、集金袋を受け取るまでの日数が先生のスケジュール次第で常に変わっていたという。森川氏は「先生から集金完了の連絡がくるのは、展示最終日の3週間後、ということもあった」と自身の体験を振り返る。そこで、夫妻は初めてのネット展示で、思い切って現金集金も廃止。先生に集金が不要になることを伝え、ネット決済を導入した。それにより3週間かかっていた集金業務や入金確認が自動化され、すぐプリント業務に取り掛かれるようになったという。また、ネット決済を導入してからお金に関するトラブルは一切ないそうだ。「今のご父兄はネット決済の敷居が低いことに驚きました。現金をやめてもトラブルがなく安心しました」と夫人は語る。
集金袋で注文を取っていたころは、小さな味のある文字の解読に苦労したという森川夫妻。写真番号の集計を行なう日は読み間違いがないように、体調が万全で「目がちゃんと生きている」日を選んでいたそうだ。しかし、それでも読み間違えてしまうことはある。特に「１」と「７」は間違えやすく、封筒を見ながら袋詰めをして「最後の最後に写真が余ったときは本当に大変。集計の時点で間違えているかもしれないので、最初からやり直していました」と夫妻は振り返る。ネット販売を始めてからは、写真番号の管理が必要なくなり「今ではまったく集計していない」という。注文がシステム化されたことで、集計を間違えることへの不安からも解放されたそうだ。
かつては集計表を見ながら、枚数分プリントして袋詰めしていた森川夫妻。写真を納品した後に間違いが発覚することもしばしばあったという。「うちかご父兄か、どちらかが間違っていると言わなくちゃいけない。うちが間違ってるなら謝れるけど...あるときは納品後に生徒さんが間違えた番号を書き直して袋を戻してきたこともあった」と森川氏は苦々しく笑う。しかし、ネット販売を始めてからは、そのようなトラブルはまったくないそうだ。購入された写真は注文ごとにソーターで仕分けされるので、業務量も90％減に。「今はソーターごとに出てきたものを詰めて、シーラーで止めるだけ。本当に楽になりました」と夫妻から笑みがこぼれた。
「私自身ネットに強くないけれど、自分のやり方を掴んだら仕事全体がスムースになった」という夫人。最初は慣れないパソコン作業に不安がありながらも、先生や保護者など地域の人たちを率いて『みんなの写真屋さん』でネット販売の内製化をかなえた。その思い切った行動の中には、森川夫妻の内製へのこだわりがある。「写真はずっと残る。10年20年と言わずに何十年も残るもの。だからやっぱり、ちゃんと綺麗な写真を渡してあげたい」と穏やかに語る森川氏。この想いは街の写真店としての、森川夫妻の合言葉だ。スクール写真のネット販売においても、その想いは実現されている。
「とにかく、子どもたちの顔がかわいく見えるように写真を補正してあげたい。」そう語る夫妻は、閉店後に夜遅くまで色補正をしていることもあるそうだ。そんなカメラのもりかわの販売サイトには、色鮮やかで自然な子どもたちの写真が並んでいる。「自分たちがやればやるだけミニラボ機は応えてくれるので、これからも内製にこだわっていきたいと思います。」森川夫妻の想いは3,000人分の写真にあらわれ、地域からの信頼に繋がっている。
森川 良三さん 由美さん
1964年、東京都江戸川区に設立。賑やかな昭和通りに並ぶ同店は、穏やかな店主の良三さんと明るい由美さんのご夫婦が運営している。スクール写真は公立小学校を中心に約10校の撮影をお二人で分担。お父様の代から50年以上の信頼関係を築き、地域に親しまれている。
取材編集：温泉（みんなの写真屋さんサポートデスク）
取材編集：温泉
（みんなの写真屋さんサポートデスク）
３Sを解消する仕組みをご紹介
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